Aterieclip 緑なる感性




絵を鑑賞するというライフスタイル。

お持ちでしょうか?

わたし、いぞうさんは幼いころから絵が大好きで、いたずら書きから漫画、そして油絵を描いていました。

一時は絵描きさんになろうかとも思ったのですが、派手な世界に憧れて映画やTVドラマの世界に進んでしまいました。

でも、燃え残ったものがあって、リタイアしたら絵描きになろう、絵描きとして生涯を終えたい、そんな風に思って熊本へ来たんです。

そこで地域おこしに携わり、アートフェスティバルを主宰することになり、大勢のアーティストさんと関わることになったのです。

熊本は意外にも(失礼!)アートが盛んで、たくさんの皆さんがアートに関わっておられるんです。

私にも絵の仲間がすぐにできました。

そしてアートフェスティバルに参加してくれた熊本アートオーガニゼーションの長尾さんやその仲間たちと親しくなりました。

そこからさらに大勢の若い作家さんたちとつながりができて、、、、、。

そんな方たちの中に、1人の女性作家さんがいました。

彼女の絵は私を引き付けました。

緑の植物が複雑に絡み合いながら、それでもどこか整然とした規則の中にある種デザイン化されてセンスを感じさせるんですが、それが同時に柔らかく優しいんです。

それが Aterieclip佐藤厚子さんの絵だったんです。





様々なギヤラリーでの活躍や個展の開催で、九州では知られたアーティストであるAterieclip佐藤厚子さん。

野草をテーマにしたおしゃれな作風で、作為を抑えた飽きの来ないイラストが素敵です。

どこのギャラリーでも佐藤さんの絵はたちまち売れてしまいます。

個展やグループ展でアーティストとして忙しい毎日を送っている佐藤さん。

SHOPのロゴデザインやメニュー、年賀状等のデザイン業でも活躍しておられます。

イベントで公開描画をされることもあります。

わたしが佐藤さんの絵を初めて見たのが「菊池アートフェスティバル」での事でした。

会場の壁に飾られていた山野草たちの絵画。

野草たちの柔らかくも毅然とした存在感がとても心地よかった。

自然をテーマにナチュラルな野や森の中に潜む美を見出した表現。

見る者の胸に静かに染み入ってきます。

懐かしいあの時代へ私たちを誘い込むノスタルジー。

なじみ深いモチーフなんですが、なぜかとてもモダーンでもあります。

彼女の絵はおそらく逆説的に、夜景の美しい都会のマンションの壁に飾られてこそ生きるのではないでしょうか。




Aterieclip 佐藤厚子さん

佐藤厚子さんは穏やかな顔で物静か、でも話してみるとお話し好きで明るい方でした。

お花屋さんに並ぶような作り方られたお花は自分が描きたいものではないという佐藤さん。

「名もないお花が好きなんです。道端に咲くけなげなお花が」

熊本県菊池市の山間部、雪野という自然豊かな土地で子供の頃から自然の植物を描いていました。

雪野は本当に日本の里山の原点という趣の美しい場所です。

佐藤さんは都会でイラストや編集の仕事をしてこられました。

けれど自然豊かな土地で育った佐藤さんにはやはり都会暮らしは合っていませんでした。

次第に田舎暮らししたいと思うようになっていった佐藤さん。

そんな時、ご両親が体調を崩され、看護が必要となりました。

それをきっかけとして、ご両親を助けるために故郷へ帰られたのですが、都会での無理がたたったのか、ご自身も一時健康を害されたのです。

看病と闘病。

それを同時に乗り越えていかなければならない立場。

そんな苦しい時期の中、佐藤さんは家族やご自身の身体に起きている患いの原因を知りたくて色々調べ始めたのだといいます。

その結果、食べ物や水、空気など、人間が経済を追いかける欲望の過程の中で、自然を軽視し、とんでもなく環境破壊が進んでいることに思い至ったのでした。

人は経済に追い立てられて蝕まれている。

合成化学物質。

放射性の汚染物質。

排気ガス。

etc。

そして確信するようになっていった佐藤さん。

私と家族の身体も人工的な無理な生活の為、病に侵されたのだ、と。

やがて佐藤さんは、ご自分のことだけでなく、人間の営みそのものにも疑問を抱いてしまい、苦しい毎日が続いたといいます。

何も対抗できない自分。

力のなさ。

そこを救ってくれたのが、やはり描くこと、でした。





子供の頃から彼女の感性をはぐくんだ山野草たちが、その時彼女を救ってくれたのです。

「都市部では水も土も買うしかないです。

せめて室内では緑に癒されたい。

いつもそんな風に思って暮らしていました。

苦しい時期、人は宗教や趣味に救いを求めるものですが、私には絵を描くことが救いでした。

特に山野草の絵を描くことが。

今、故郷に帰れて私は幸せです。

毎日1枚描くlことを自分に課してます。

遠方の大切な方や病に苦しんでいる身近な人たちを想って描いています。

生きたい思い。

それはみんな同じでしょう。

そんな人たちに私の絵を捧げたい。

生きる希望の支えになりたい。そう思って描いています。」

そういう佐藤さん自身に、皆さんからの反響、コメントが何より生きる励みになっているそうです。

絵を評価してくださる皆さんから反対にエネルギーを頂いているのだと。

絵を描き、皆さんと思いを交換し、山野草たちと語らいながら病んだご自身の肉体までが癒されていく。

そんな時間が雪野には流れています。




佐藤さんだけじゃありませんよね。

今はみんなが追い詰められてる時代じゃないでしょうか。

特に都会では。

都会での暮らしは激しいサバイバル戦でもあります。

ストレスが積み重なり、人はいつしか癒しを求めるようになるもの。

わたし(いぞうさん)自身がそうでした。

寛げる場所に癒しのアイテムが必要でした。

今はリタイアした私ですが、ああ、あの頃、佐藤さんの絵に出会えていたら、リビングにかけたかったなあ、と、そう思います。

勝ってるつもりでも都会のプレッシャーは半端ないです。

自分をいたわりつつ奮い立たせることが大事です。

自然の持つ命の強さ、優しく包んでくれる力。

懐かしい空気感。

Aterieclip佐藤厚子さんの絵から山野草の生きる力と包容力を受け取ってください。

我が「ちゃーこからの菊池便り」では佐藤さんの絵をお取り扱いさせて頂いています。

SHOPのサイトから詳細を見てください。


貴方のお部屋に飾られて、貴方を癒す。

佐藤さんが一番望む、それが彼女の絵の完結する幸せな姿でしょうね。



ちゃーこからの菊池便りブログ

店主のちゃーこです。 熊本県菊池市でアート&雑貨&自然食品のお店を家族で営んでいます。 ちゃーこや取材担当のいぞうさんが商品の紹介や日々のことなどについて綴っていきます。

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