菊池秋便り2021
今回は菊池の秋をレポートします。
九州らしいあつ~い夏が9月いっぱい残ってて、10月に入った途端、一気に秋がやってきます。
毎季節、じわじわと季節が変化する感じじゃないですね。
ある日突然、季節が変わってる!と気付かされる感じです。
昨日までクーラーなくして眠れなかったのに、今日は毛布をかぶってないと風邪をひいちゃう!と慌てます。
でも、毎季節、それぞれの光景を現してくれて、菊地はやっぱり美しいです。
昼は光が満ちて空はどこまでも青く、風がさわやかでちょっと暑い。
夜は少し肌寒くて、でも虫たちの声が心地いいです。
典型的な日本の秋風景、なんだけど、彼方に阿蘇が雄大にそびえ、目を遮るものがなくて気持ちがすかっとします。
日本離れした風景の阿蘇だとか、海の豊かな天草とかはそれぞれはっきりと特徴があって、観光には最適な場所ですね。
菊地はそれに比べて特徴がなく、単独で観光客さんを引き付けることができない恨みがあります。
とはいえ、わたし(いぞうさん)の眼からは「菊池の秋、最高!」と見えてるんですね。
阿蘇や天草は観光地って感じで構えてたまに行くのにいい場所、という感じ、なのかな。
菊地は地味に気持ちがいいので、住むのに最適って気がします。
気負わないでいつまでものんびりしてられるんです。
あくまで個人の感想なので、気に障る人は聞き流すようにしてくださいませ。
私が何より惚れ込んだのは、菊池の空の広さです。
秋になると高い空がまたさらに高くなって果てがありません。
菊地は背後に大分までつながる山間部を控え、秘境的な魅力を持った地域もあります。
林業が盛んで、山あいの村々に静かに暮らす人々の生活は哀愁をさえ感じさせてノスタルジックです。
どこにでもありそうないかにも日本の故郷って暮らし。
でも、そんな味わいに浸れるかと思いきや、一転西下すると全然違う光景が広がります。
阿蘇の連山の外れの鞍岳という美しい山に見降ろされて広がる高原地帯のような旭志から西は広大な平野が展開しています。
この広大な平野部の空が本当に広い!
菊池川をはじめ、迫間川、合志川などの豊かな河川が有明海を目指して西下していき、川のたもとには柿が実り、やがてススキが穂を揃え始めます。
木々の葉は黄色く変化し、やがて赤く染まっていくでしょう。
はい、何度も言いますが、日本中どこにでもある光景です。
ただちょっと雄大で爽快、心が晴れ晴れするような秋の色合いに染まっている、というに過ぎません。
なのに、なんだか、ここでしか味わえない独特の地場の引力が働くんですよねえ。
今はコロナで去年に引き続き夏祭りもなかったし、様々なイベントが中止になっています。
この時期からは「菊池秋まつり」、「七城ふるさとコスモス祭り」、「泗水秋祭り」、「龍門ダムウオーキング」などが例年なら予定されているはずなのに、今年は全部中止です。
「菊池市文化祭」は規模を縮小して行われるみたいですけどね。
「松囃子御能」はあるみたいです。
「菊祭り」もあるのかな。
でも、賑やかなマルシェはどうなんだろう。
開催の予定を聞きません。
寂しいな。
菊池の最大の魅力は実は人です。
みんながそれぞれに工夫を凝らして地元を盛り上げようと、地域おこしの活動をしています。
自分なりの個性のままに、様々な形で故郷を盛り上げようという意識がいっぱいです。
前向きで、純情で、頑固だけど実は優しくて楽しい。
そんな人ばかりです。
彼らと紡ぐ秋の日々の交流こそ、菊池の秋の味わい、だと思います。
それがコロナのために抑えられています。
だから、今年も寂しい秋です。
残念。
だからせめて自然の豊かさを味わいましょう。
静かで、平凡で、でも他にない個性を持っていて、かけがえのない田舎。
田舎の秋。
時が静かに流れ、700年前の菊池一族の時代と同じ空気が満ちて、同じ秋が繰り返される。
同じ味の柿を菊池一族の人が味わったように味わう。
そんな菊池の秋です。
さて、これから縁側の陽だまりで読書しましょうか。
読み飽きたら自然にうとうとするでしょう。
夏と違い、程よい暖かさの縁側での居眠り、秋の楽しみですね。
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